「札幌AI道場」について
第1期(令和4年度)成果報告
(1)背景・目的
札幌のIT企業群と北海道大学を中心とした学術研究機関、札幌市では、「AIの社会実装を先導する都市さっぽろ」の実現を目指して、2017年6月に産学官が連携し「札幌AIラボ」を設立し、これまでAI人材育成やAIを活用したビジネス創出支援をはじめとした各種取組を鋭意推進してまいりました。
これら産学官の取組を通じて、人材育成では累計1,000人を超えるスキルアップを支援してきたほか、地場IT企業間、学術研究機関との共同研究・開発、業務提携などの連携協業事例や、AIを活用したサービスを提供するスタートアップが生まれるなど、地域のエコシステムが形成され、着実にその成果が表れつつあります。
他方、この数年、社会全体のデジタル化が加速し、AIの活用領域が広がる中で、国内全体でAI人材は依然として不足しており、札幌のIT・AI開発企業群においても、拡大するAI開発の需要に十分に対応するには至っていません。
また、人口減少下での持続的な経済成長を実現するためには、生産性の向上やイノベーションの創出が不可欠であり、AI技術等の活用はますます重要になりますが、地域の中小企業におけるAI活用は、十分に広がっているとは言い難い状況です。
こうしたことから、札幌AIラボでは、札幌におけるAI人材の育成、AI開発企業の集積、地域企業間の協業や地域発のAI開発の促進を目的として、実践的AI人材育成・実証プログラム「札幌AI道場」をスタートさせるとともに、AI開発案件の連携協業体制として「札幌AIラボパートナー制度」を構築いたします。
本年、札幌AIラボは設立5周年、札幌市は市政施行100周年の節目を迎えます。次なる5年、そして100年を見据えた新たなステージを向けて、これらの施策を中核として、AI開発を共に学び、実践し、そして成長する地域のエコシステムの発展を目指します。
(2)AI道場とは
札幌AI道場は、実課題に基づく課題解決型AI人材育成(PBL)とAI開発の実証(PoC)を同時に行うプログラムです。
本プログラムの特徴は、次のとおりです。
- 従来の座学中心の授業とは異なり、道内企業が抱える実課題を題材としたプロジェクト形式で学習します
- 参加者・ITにおいては、実課題に基づくケーススタディを通じて、座学では得られない実践的な開発の経験が得られます
- 課題提供企業においては、自社に適したAI導入の把握、AIモデルの試験的な構築ができ、PBLを通じて成果の高いものは、継続して事業化を支援します
(3)全体像

(4)参加者の公募概要
対象 | AI人材育成を行いたいIT企業、個人(市外企業、フリーランスや学生も可。ただし選考あり。) |
---|---|
参加定員 | 20名程度 |
選考基準 |
|
演習方法 |
|
参加報酬 | プログラム参加費は無料。実際のプロジェクト遂行を行う対価として、参加報酬を支払います(報酬額は運営事務局までお問合せください)。 |
応募方法 |
参加を希望される方は、メールにより、①氏名、②所属(企業、大学 等)、③連絡先(メールアドレス、電話番号)、④志望動機、⑤これまでの業務経験についての情報を提供してください(申込期限:8月10日)。 応募宛先:札幌AIラボ事務局 staffs@s-ail.org |
(5)課題提供企業の公募概要
対象 | AIによりビジネス課題を解決したい中小企業(市外企業も可。ただし選考あり。) |
---|---|
選考数 | 3社 |
選考基準 |
|
費用 |
|
応募方法 |
課題提供を希望される方は、メールにより、①企業名、②担当者名、③連絡先(メールアドレス、電話番号)、④課題の内容の情報を提供してください(申込期限:8月10日)。 応募宛先:札幌AIラボ事務局 staffs@s-ail.org |
(6)実施スケジュール(予定)
7~8月 参加者、課題提供企業の公募
9月~翌2月 演習実施
成果発表会 2月
(7)札幌 AI ラボパートナー制度について
札幌においてAI企業を集積させ、国内外からの開発案件を地場で受注可能とする受け皿となる「札幌AIラボパートナー制度」を 2022 年度中に構築します。
(8)プログラム運営体制
- 実施主体:札幌AIラボ
(ラボ長:川村 秀憲 北海道大学大学院情報科学研究院 教授
事務局:札幌市・一般財団法人さっぽろ産業振興財団) - 運営事務局:株式会社調和技研(代表取締役社長 中村 拓哉)
- 協力:北海道大学 大学院 情報科学研究院 調和系工学研究室
- 後援:一般社団法人日本ディープラーニング協会(予定)